ウォッカの製造方法とは?簡単解説

 各国によってウォッカの製造方法は多少異なりますが、ここでは一般的なウォッカの製造方法・製造工程についてご紹介します。

目次

ウォッカの製造工程は6段階

 ウォッカの製造工程は6段階に区分できます。

  1. 材料を選ぶ
  2. 材料を糖化・発酵
  3. 発酵させたものを蒸留
  4. 蒸留したものに加水
  5. ろ過
  6. 瓶詰して完成

 第6段階で果物やハーブ等でフレーバー(香り)を加えればフレーバードウォッカ、加えずにそのまま瓶詰すれば通常のウォッカとなります。

ウォッカの製造方法①材料を選ぶ

ウォッカの材料となるぶどう、りんご、トウモロコシ、じゃがいも、小麦

 ベースとなる材料を選びます。材料がぶどうに限定されているワイン等とは違い、ウォッカの材料は多種多様です。発酵できる農産物であれば、ウォッカの材料となり得ます。

 メジャーで伝統的なものとしては、小麦等の穀類やジャガイモがあります。また、トウモロコシ等の発酵可能な農産物や、ブドウ、リンゴ等の果物も使用されます。

材料は二酸化炭素と水のみ!究極のエコウォッカ「エアウォッカ(Air Vodka)」

 ウォッカの材料は発酵できる農産物であればOKと言いましたが、(私の知る限り)唯一の例外があります。それは二酸化炭素と水だけで作る「エアウォッカ(Air Vodka)」です。

 地球環境に配慮して考案された「エアウォッカ」ですが、二酸化炭素を材料とするため、製造すればするほど地球上の二酸化炭素を減らすエコウォッカです。

詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

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ウォッカの製造方法②材料を糖化・発酵させる

 材料を粉々にして水を加え、加熱するとデンプンが糖に変化(糖化)し、ドロドロの液体(マッシュ)になります。このマッシュに酵母を加え、醗酵させるとアルコール性の液体(ウォッシュ)が出来上がります。

ウォッカの製造方法③発酵させたものを蒸留する

19世紀ロシアの蒸留器の図
出典:パトリシア・ハーリヒー,2019年,「ウォッカの歴史」,原書房,p17

 ウォッシュを蒸留器で蒸留し、水とアルコールとその他の化学物質に分離します。アルコールは水よりも早く沸騰するため、ウォッシュを沸騰させるとアルコールが先に蒸気となり、分離することが可能です。

 蒸気の最初と最後には不純物が混ざりやすいため、それらの蒸気を破棄するか、蒸留したアルコールと混ぜて2~3回蒸留して不純物を取り除きます。

 素材の味を少し残したい場合は単式蒸留器、できる限り無味無臭にしたい場合は連続式蒸留機を用います。上の図は単式蒸留器です。

ウォッカの製造方法④蒸留したものに加水する

 蒸留によってアルコール度数が非常に高くなっているため、加水して度数を調整します。どの程度加水するかは、そのウォッカのアルコール度数により異なりますが、一般的なウォッカであれば37~60度になるように加水します。

ウォッカの製造方法⑤ろ過する

袋に入った木炭

 ウォッカの製造工程の中で最も特徴的なのがこの「ろ過」です。木炭等のフィルターを使って「ろ過」することで、蒸留では分離できなかった不純物を取り除き、無味無臭へと近づけます。

 フィルターの木炭は、主に白樺やアカシアの活性炭が使用されますが、メーカーによりフィルターの素材は様々です。木炭以外では、砂、溶岩等の自然物質やダイヤモンドの粉末、ステンレス鋼などの鉱石や貴金属、様々な素材が使われています。

ウォッカの製造方法⑥フレーバーを加え、瓶詰して完成!

瓶詰されたウォッカにラベルを貼る女性従業員
出典:パトリシア・ハーリヒー,2019年,「ウォッカの歴史」,原書房,p21

 ストレートのウォッカであれば、このまま瓶詰して完成ですが、香りづけをする場合はフレーバーを加えます。フレーバーの種類は多種多様で、ハチミツやフルーツのような甘いフレーバーもあれば、トウガラシ、卵白等様々です。

まとめ

  • ウォッカの製造工程は6段階
    • 材料を選ぶ
    • 材料を糖化・発酵
    • 発酵させたものを蒸留
    • 蒸留したものに加水
    • ろ過
    • 瓶詰して完成
  • ウォッカ製造方法の最大の特徴は「ろ過」
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