【子育て】魔法の褒め言葉「さしすせそ」と自己肯定感の高い子どもを育てる褒め方のコツ

子育て自己肯定感の高い子どもを育てる褒め方のコツ

 「叱るよりも褒める」ことで子育てをしようというのは久しく言われている方法です。ですが、子どもを褒めるのって難しいですよね。どういう風に子どもを褒めたらいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。苦手意識のある「褒める」にもコツがあるのをご存知ですか?これさえ知っておけば「褒め上手」になれます!

筆者
筆者

3児のママで現役保育士です。
わたしが日頃心がけていることをお伝えします。

目次

褒めるメリット

 子育てにおいて「褒める」行為は、以下のようなメリットがあるとされています。

  • 他者に対してやさしくなれる
  • 努力すること・継続することが大切という価値観が育まれる
  • 自分は受け入れられていると感じることで、子どもと大人の信頼関係が深まる
  • 自分に自信がもてるようになり、意欲的にいろいろなことにチャレンジするようになる

→社会性や人間性の土台となる自己肯定感を高めることにつながります。

他者に対してやさしくなれる

 子どもに「手伝ってくれてありがとう」等、感謝の気持ちを具体的に伝えることで、自分の行動で相手がどんな気持ちになるのかを想像できるようになります。そのため、他者への共感力が増し、やさしい行動ができるようになります。

努力すること・継続することが大切という価値観が育まれる

 「足が速いこと」「絵が上手いこと」「テストの点数が良かったこと」など結果だけに注目してしまっていませんか?結果ではなく努力したプロセス(過程)やがんばり(努力)を褒めましょう。また、普段続けている望ましい行動(例:着替える服を自分で用意する、食後に食器を片付けるなど)を褒めましょう。そうすることでがんばることが大切なんだ、続けていくことが大切なんだという価値観が育まれます。

自分は受け入れられていると感じることで、子どもと大人の信頼関係が深まる

 褒められれば嬉しくなりますよね。それは子どもも同じです。自分に関心をもってもらえているという好意につながり、それが深まれば信頼関係が築かれます。また人は好かれていると思うと好きになるものです。大人は子どもたちを愛していることを言葉や行動で示しましょう。そうするとより信頼関係が深まります。

自分に自信がもてるようになり、意欲的にいろいろなことにチャレンジするようになる

 「○○してくれてパパは嬉しいな、ありがとう」のように大人がどのように感じたのか言葉にして具体的に伝えましょう。子どもは自分の行動が誰かの役に立ったと感じることができ、自分に自信がもてるようになります。そうすることで自発性が高まりいろいろなことに意欲的にチャレンジするようになります。

魔法の褒め言葉「さしすせそ」

 「どんな言葉をかけて褒めたらいいのかわからない」ーそう思う方も多いのではないでしょうか。そんな方々向けに素敵な魔法の褒め言葉「さしすせそ」があります。

  • さ…「さすがだね」
  • し…「上手だね」「知らなかった」
  • す…「すごいね」「すてきだね」「すばらしい」
  • せ…「成長したね」「センスがいいね」
  • そ…「その通りだね」「そうだね」

 これらの褒め言葉を意識して子どもに接してみるといいでしょう。

 次にどんなことを褒めたらいいのかみていきましょう。

褒め方のコツ

①具体的に褒めましょう

例「□□におもちゃを貸してくれてありがとう」

 保育園では子ども同士がおもちゃの取り合いをしてよくケンカをしますが、子どもがおもちゃを譲ってあげられたら「おもちゃを貸してくれてありがとう」と具体的に褒めています。そうすることで、次からは自発的におもちゃを譲るようになることが多くなります。

 「すごいね」「上手だね」の褒め言葉だけよりも「○○だからすごいね」「△△してくれてありがとう」のように具体的な行動を褒めることで、子どもにとって何がよい行動なのかが分かりやすくなり、褒められた行動が続くようになります。そうすることで他者(お友達や兄弟)に対してやさしくなります。

②プロセス(過程)やがんばり(努力)を褒めましょう

例「足が速くなるように毎日走る練習したのがんばったね」

 運動会のかけっこで「かけっこで1位を取れてすごいね」、小学校のテストで「100点取れてえらいね」などと褒めてしまいがちですが、結果だけを褒める(評価する)のではなく、プロセスや努力したことを褒めるようにしましょう。

 かけっこではいつも1位を取れるわけではありませんし、テストでもいつも100点を取れるわけではありません。「1位になること」「100点を取ること」を褒めることで価値づけしてしまうと、そうではなかったときに「僕(私)はダメなんだ」と自分自身を価値づけてしまうことにつながります。

 そうではなく、「(かけっこで1位になるために)たくさん練習したこと」「(テストで100点が取れるように)がんばって勉強したこと」を褒めて価値づけしてあげましょう。

 そうすることで「努力することが大切」という価値観が育まれます。

③日常で当たり前にしていること、続けていることを褒めましょう

例「いつもありがとうがすぐに言えてすてきだね。お父さん、すごく気持ちいいよ」
 「妹がぐずっているときにあやしてくれてありがとう。お母さん、とても助かってるよ」

 初めてできたときはたくさん褒められたことも、次第に「できることが当たり前」となって親も褒めるのをしなくなってしまうと子どもの行動が薄れていくことも…。子どもができるようになった当たり前と思えることを敢えて言葉にして褒めてみましょう。

 続けていくことは大切なんだと気づいてくれるはずです。

④子どもの存在をまるごと認めて褒めましょう

例「生まれてきてくれてありがとう」「愛してるよ」

 日本人にとって恥ずかしくて普段言うことが難しいかもしれませんが、欧米では大切な人には必ずこのような言葉をかけています。

 子どもの存在まるごとを褒めることで自分が愛されているんだ、大切な存在なんだと気づくことができ、信頼関係が深まります。

⑤「わたし(アイ)・メッセージ」で褒めましょう

例「□□が手伝ってくれて、ママ助かったよ、ありがとう」

 「あなたの行動でわたし(アイ)はこう感じたよ」と言葉にしましょう。そうすることで子どもは自分の行動が誰かの役に立ったと感じ、子どもの自発性が高まりいろいろなことに意欲的にチャレンジするようになります。

気をつけたい!よくない褒め方

❶他の子どもや兄弟児と比べて褒める

例「△△ちゃんより絵が上手だね」

 このような褒め方は絵の結果から分かりやすいのでつい言葉にしてしまいがちですが、相手の子ども(△△ちゃん)に対して過度な優越感をもたせることにつながってしまいます。

❷上手だね、すごいねをたくさん使い褒める

 「すごいね」は魔法の褒め言葉「さしすせそ」の中の1つですが、子どものことをよく見ずに連発していては褒めることの意味が変わってきてしまいます。

 「しっかり見て褒めてくれない」と感じたり、逆に人の評価ばかりを過剰に気にするようになってしまったりします。

 「自分はみんなよりできて当たり前」というプレッシャーがかかり結果的に自己肯定感が低くなることもあります。自己肯定感が低くなることでいじめや暴力などの問題行動に発展してしまうこともあるので、注意が必要です。

まとめ

 「褒めるのは叱るよりも難しい」とよく言われてきました。その通りだと思います。褒めるのにはエネルギーが必要です。子どもをよく見たり、褒める側(大人や親)がある程度余裕があったりする必要もでてきます。

 ですが、子どもが何かしたときや「ねえ、みてみて!」と大人の元に来たときには「自分だったらなんて言われたいかな?」とちょっと考えてみてください。自分が言われたら嬉しい言葉を子どもにそのままかけてみてはどうでしょうか。きっと子どもも喜んでくれるはずです。

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