カクテル(Cocktail)とは?分類や種類等を簡単解説

カクテル

「カクテルっていっぱい名前があってわからない…」

「そもそもカクテルって何?」

という方におすすめです。カクテルについて簡単にご紹介します。

目次

カクテルの定義はお酒にジュースや果汁、薬味等を混ぜた飲料

カクテル

 カクテルとはお酒にジュースや果汁、薬味等を混ぜた飲み物を指します。ただし、水だけで割った水割りや炭酸飲料のみで割ったハイボール等は定義上カクテルですが、カクテルと呼ばないことが多いです。

 また、お酒を使用しないカクテルもありますが、それらは「ノンアルコールカクテル」あるいは「モクテル(mocktail)」(カクテルを模倣したものの意)と呼ぶのが一般的です。

カクテルの歴史

カクテルの起源は古代エジプト?

 カクテルの起源は古く、古代エジプトや古代ローマの時代には既に飲まれていたとされています。

 当時のお酒(ワインやビールなど)は質が悪かったため、味を改善するために蜂蜜や香草を混ぜたり、水で薄めて飲むのが一般的でした。

カクテルの語源は様々

 カクテルはCocktail、雄鶏(Cock)+しっぽ(tail)がくっついた単語です。では何故「雄鶏のしっぽ」が現在のカクテルの意味を持つことになったのでしょうか?様々な説がありますが、いくつかの面白い説をご紹介します。

勘違い説

その昔、メキシコのユカタン半島のカンペチェという町に、イギリスの船が入港した際、船員たちが酒場の少年に「その飲み物は何か?」と尋ねた。少年は飲み物を混ぜる小枝のことを聞かれたと勘違いし、「コーラ・デ・ガジョ(雄鶏のしっぽ)」と答えた。小枝の形からそう名付けられていたのだ。これが英語の「テール・オブ・コック(Tail of cock)」→カクテルとして伝えられた。

出典:渡邉一也「カクテル完全バイブル」ナツメ社p25

バー「四角軒」説

ニューヨーク市の北に「四角軒」という名のバーがあった。アメリカ独立戦争時、独立派を応援し兵士たちに酒を振る舞っていた経営者のベティは、反独立派の地主の家に忍び込んで持ち帰った雄鶏をロースト・チキンに、その尾をラム・パンチ入りのボウルに飾り、兵士たちの喝采を浴びた。以後、酒をミックスした飲み物を注文するときは、「Cocktail(雄鶏の尾)」というようになった。

出典:渡邉一也「カクテル完全バイブル」ナツメ社p25

カクテルの分類

 カクテルは飲む所要時間、温度、場面等で分類されます。

飲む所要時間での分類

 短時間で飲むカクテルを「ショート・ドリンク」、ゆっくり飲むカクテルを「ロング・ドリンク」と呼びます。

「ショート・ドリンク」は量が少なく、カクテル・グラス等の小さいグラスに注がれるのが一般的です。また、カクテルを作る際に氷で冷やしますが、グラスには氷を入れません。

「ロング・ドリンク」は量が多く、タンブラー等の大型のグラスで提供されます。氷を入れて長時間低温度を維持させるものや、お湯やホットミルク等で熱い状態で飲むものがあります。

温度での分類

 温度によって「コールド・ドリンク」、「ホット・ドリンク」に分類されます。

 注意点として、この分類は、「ロング・ドリンク」に対してのみ使用されます。「ショート・ドリンク」を「コールド・ドリンク」とは呼びません。

場面での分類

 カクテルは飲む場所や目的などによっても分類されます。食事前に飲むカクテルを「アペリティフ」、食後に飲むカクテルを「ディジェスティフ」と呼びます。日本語だと「食前酒」、「食後酒」でおなじみですね。

 「アペリティフ」は食事の前に飲むお酒なので、味覚を研ぎ澄まさせるためにさっぱりしたものや辛口のものが多いです。一方で「ディジェスティフ」は食事後なので、甘いカクテルや度数の高いカクテル等、カクテルが主役となります。

 その他にも、寝る前に飲むカクテルを「ナイトキャップカクテル」、お祝いの席で飲むシャンパンベースのカクテルを「シャンパン・カクテル」、食事の際にスープの代用として出される「クラブ・カクテル」等があります。ですが、これらは欧米の分類で、日本ではあまり使用しないかもしれません。

カクテルのスタイル

 カクテルにはたくさんの種類がありますが、カクテルのスタイルを知っていると、名前からある程度どういったお酒か推測できます。
 例えば、「フィズ」というスタイルを知っていれば、「ジン・フィズ」というお酒を飲んだことなくても、「ジン」をベースとして、「柑橘類系の甘味」と「炭酸」を足したものなんだなと想像ができます。

 ただ、固有名詞のカクテルであったり、お店によってはアレンジを加えている場合がありますので、ある程度の目安として考えるぐらいでいいでしょう。

 ここでは代表的なカクテルのスタイルをご紹介します。

エッグノッグ

 エッグノッグは酒に卵、ミルク、砂糖を加えたカクテルです。元々はアメリカでクリスマスの定番ドリンクとして愛されていますが、現在では世界中で季節を問わず飲まれています。

主なカクテル…「コーヒー・エッグノッグ」「ブランデー・エッグノッグ」

クーラー

 クーラーは蒸留酒に、レモン等の柑橘系ジュースと、ジンジャエール等の炭酸飲料を加えたカクテルです。

主なカクテル…「ボストン・クーラー」「モスコー・ミュール」

コリンズ

 コリンズは、蒸留酒に柑橘類の果汁とシロップ等を加え、炭酸を加えたカクテルです。著名なバーテンダーであるジョン・コリンズ氏が創作したことから名前がとられています。コリンズ・グラスと呼ばれる細長いグラスを使用するのが一般的です。

主なカクテル…「ジョン・コリンズ」「トム・コリンズ」

サワー

 サワーは、蒸留酒に柑橘類の果汁とシロップや砂糖の甘味を足したカクテルです。いわゆる「レモンサワー」等の「サワー系」は、「蒸留酒を炭酸で割って、レモン果汁等を加えたもの」で、カクテルのスタイルでいう「サワー」とは別物ですのでご注意。

主なカクテル…「ウイスキー・サワー」「ジン・サワー」「フランポワーズ・サワー」

トゥディ(トデー、トディー)

 トゥディは蒸留酒に砂糖等の甘味を加えてお湯で割ったカクテルです。スライスレモンを加えるのが一般的です。

主なカクテル…「ホット・ウイスキー・トゥディ」

フィズ

 フィズは蒸留酒に柑橘類の果汁、シロップ等の甘味を加え、炭酸で割ったカクテルです。コリンズと同じ作り方ですが、コリンズに比べ甘くなく、量が少ないという特徴があります。

 レモン以外の柑橘系果汁を加えてつくるものは、「オレンジ・フィズ」のようにその果物の名前を付けることが多いです。

主なカクテル…「ジン・フィズ」「テキサス・フィズ」

リッキー

 リッキーは蒸留酒にレモンやライムなどの果肉を入れ、炭酸で割ったカクテルです。マドラーで果肉をつぶし、味を調整しながら飲みます。シロップや砂糖などを使わないので、果物そのものの甘さを楽しめます。

主なカクテル…「ジン・リッキー」「ウォッカ・リッキー」

参考文献

渡邉一也「カクテル完全バイブル」ナツメ社

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