最近日常にマンネリを感じている大人の方、大人の青春物語を体感したい方に是非読んでほしい漫画、森田るいの「我らコンタクティ」をレビューします。
「我らコンタクティ」のあらすじ
冴えない会社員をしているカナエ。会社を辞めようかと悩んでいると小学校時代の同級生カズキと出会う。カズキは町工場で働きながら、「とんでもない目的」のために個人でロケットを開発していた。最初はカズキを利用して儲けようとしていたカナエだったが次第にロケット開発にのめり込んでいくー
ーロケット開発を通じた大人の青春物語ー
「我らコンタクティ」の魅力
かずきの情熱にあてられる「大人たち」
最初は否定的であった周囲の人々が、次第にカズキと共にロケット開発にのめり込んでいく過程が気持ちいいです。
カズキの周囲の人々は、ロケット開発に否定的であったり、金儲けの対象としてしか見ていなかったり(上画像)。何故彼らが変わっていくかというと、カズキが「損得」ではなく「情熱」でロケット開発をしているから。
カズキがロケット開発をする「とんでもない目的」とは、1円の得にもならないような、他の人から見たら「しょ~もない」事です。でもカズキにとってはすごく重要で、1円も得にならないことにカズキが一生懸命だからこそ、周りの人はカズキのそうした姿勢に感化されていきます。
大人になるとどうしても「損得」を考えて行動してしまいます。「金になるならやる」、「時間の無駄だからやらない」等…大人は生活費を自分で稼がないといけないのでそうなるのも仕方ないのですが、そこに「感動」はありません。
でもカズキは違います。カズキは年齢的には大人ですが、彼の行動原理は「損得」ではなく「情熱」です。同じ大人が「情熱」を原動力に行動する姿は、作中の登場人物である「大人たち」だけでなく、読者である大人の私たちも感銘を受けます。
大人たちが「損得」を超えて皆で1つの目標に向かっていく「我らコンタクティ」は、まさに大人の青春物語と言えます。
皆で様々な問題を乗り越えていく爽快感
ロケットを打ち上げるまでに様々な問題が立ちはだかります。技術的問題であったり、資金的な問題であったり、人間関係であったり、法的問題であったり…
それらの問題を、カズキとカナエ、そして周りの人々の協力やアイディアで、テンポよく乗り越えていくのは爽快感があります。
まとめ
読後感は1本の爽やかな映画を見終わったような浮遊感があります。
最近何となく日常にマンネリを感じる…という方におすすめの「清涼剤」です。
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