自宅で防災してみませんか。在宅避難・テント泊・車中泊のメリット・デメリットと必要なものをまとめました。

在宅避難・テント泊・車中泊のメリット・デメリットアウトドア
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 2020年も日本ではたくさんの災害がありました。台風や大雨、地震などで多くの方々が被災されました。大きな災害があるたびにマスコミは避難所へ行き、被災者の様子を私たちに伝えます。しかし、避難所よりも多くの人々が避難している場所があります。それは自宅、そう、「在宅避難」です。

 「災害時に自宅で居住の継続ができるようであれば、在宅で避難すること」が勧められている(「東京防災」より)のをご存じでしょうか。東京のような大都市にはすべての住民を避難所で受け入れるキャパシティーはないのです。私たちの多くは自力で(少なくとも支援の始まる発災後3~7日間は)自分たちで自分たちの身を守らなければならないのです。

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すぐに避難所!?ちょっと待って!どこで過ごすか判断しよう

避難する場所の判断
引用:東京くらし防災 第3章 想定しよう、被災後の暮らし方 p124
(PDFデータがダウンロード表示されます)

 被災したらまず避難所に避難、と思っている方も多いのではないでしょうか。実際には上の図のような判断を経ています。

判断① 危険を見極める

 ここが一番重要なところで命を左右します。例えば、地震で被災したときは、家屋の被害やかたむき、倒壊の恐れなどがあるかを判断します。在宅することに不安や危険がある場合は避難所へ。危険がない場合は判断②へ。ただし、地震等の被災時に自治体による応急危険度判定がなされた場合や、避難指示がある場合はそちらに従ってください。

判断② 生活できるか確認

 自宅での生活ができなければ避難所へ。不安がなければ自宅にて在宅避難をしましょう。在宅避難を選択した場合、支援が開始されるまでの発災後3~7日間を自力で乗り切ることができるかが重要になります

 被災後、安全に移動ができることが分かったら、避難所の他に、遠方の親戚や知人宅も避難先として選択肢に入ります。

在宅避難のメリット・デメリット

在宅避難のメリットとデメリット
メリットデメリット
○プライバシーが守られる●支援物資や情報が届きにくい
○感染症のリスクが低い●ボランティアとつながりにくい
○通勤や通学を再開しやすい●悩み相談の相手がいない
○ペットも一緒にいられる●食料や水は自主調達
引用:iZa「在宅避難で『格差』 感染防止で在宅選択も、物資・情報届きにくく」

 ※地震等の被災時に自治体による応急危険度判定がなされた場合や、避難指示がある場合はそちらに従ってください。 

在宅避難のメリット

プライバシーが守られる

 地域の公民館や小中学校などの体育館等が避難所になりますから、地域から避難してきた人たちであふれかえります。そこにプライバシーはありませんでした(上写真)。長期間の避難ともなると、見知らぬ人々との慣れない共同生活によるストレスがたまり、喧嘩や窃盗等、避難民同士でのトラブルが発生することもあります。それに対し、在宅避難は自宅での避難生活なのでプライバシーは守られます

 このプライバシーの件は、自治体も問題視しており、コロナ対策がきっかけではありますが、一部の自治体ではプライバシーが守られる避難所が設営された例もあります(下写真)。ですが、それはまだ一部の自治体であり、自身が利用する避難所がある自治体がこのようなプライバシーに配慮した避難所が設営できるかどうかを確認する必要があります。また、見ての通り段ボールで囲う程度のものですので、完全に遮断はできませんし、音は丸聞こえです。在宅避難に比べてプライバシーを守るものとしては不十分と言えるでしょう。

感染症のリスクが低い

香川県三豊市三野町防災訓練の様子
香川県三豊市三野町の「みの防災フェスタ2020」の様子
出典:まちづくり推進隊みの

 一定の空間に大勢が密になって避難する従来の避難所生活は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症蔓延の心配があります。

 しかし、在宅避難であれば、感染症にかかる心配は大きく軽減されるでしょう。

 一方で、避難所に避難する場合でも、写真のように組み立て式段ボールベッドや簡易の組み立て式テント等の仕切りがある避難備品があれば、感染症のある程度の予防になります

 大事なのは、他の避難者とある程度距離が離れていることと、間に仕切りなど飛沫を防ぐものがあることです。もちろん、マスクや消毒液などの基本的な感染症対策は欠かしてはいけません。

通勤や通学を再開しやすい

 在宅避難が可能であれば、避難活動をしながら自宅の復旧作業を行うことができるでしょう。そうすることで、社会生活を再開しようとしたときに、スムーズな移行が図れます。

ペットも一緒にいられる

 避難所にペットを連れていくことができないケースが多いために、多くの方が被災した自宅に残したペットの様子を見に行ったり、世話をしに戻ったりされたようです。地震災害の場合は、自宅に戻るのは場合によっては危険を伴いますし、なによりそんな自宅に大事なペットを残さなければいけないのも辛いことです。在宅避難であれば、ペットと一緒に過ごすことができます
(過去の災害で、避難所によっては避難者同士の話し合いにより、ペットを避難所の外につないでおけるようにするなどの対策が広がったようです)

在宅避難のデメリット

情報弱者になりやすく、支援物資や情報が届きにくい

 情報弱者になりやすいという点に注意が必要です。大雨や台風などの情報はラジオやインターネット等で入手することが、在宅避難の場合でも可能でしょう。しかし、被災後の地域密着の情報はどうしても在宅避難者に届くのが遅れがちになります。実際に、令和2年7月豪雨の際に、在宅避難者が災害ごみの地域での処理方法の変更を知ったのは、避難所にいる被災者より1日半も後だったという情報もありました。

 こうした在宅避難者への対応として、自治会や行政の見守り機能の充実や、避難所を拠点とした支援などを政府は各自治体に求めていますが、実際のところ、自治体職員は避難所の運営等で手が回らず、情報が行き届かないことがあったようです。

ボランティアとつながりにくい・悩み相談の相手がいない

 ボランティアのあっせんや悩み相談などは、多くは避難所がその窓口になります。在宅避難をしていると、それらの情報にアクセスしにくくなります

 また、避難所だと同じ避難所にいる方とコミュニケーションがとれますが、在宅避難だとご近所付き合いがないと孤立してしまいがち同じ被災者同士、支え合い、時には助け合うことができるので、日頃からご近所さんとあいさつなどを交わして関係を築いておきましょう。

食料や水は自主調達

 都市型のタワーマンションなどはマンションに住民用の備蓄用品が備わっていることがありますが、そうでない場合で、支援物資が届かない場合は、食料や水は自力で調達しなければいけません。最低3日間から7日間分の食料や水は備蓄しておきたいところです。

 東京都水道局のホームページには、災害時に水道を配る場所「災害時給水ステーション」を紹介しています。地震災害で水道が止まってしまった場合、幹線道路などが地震の被害を受けていると給水車が配備されるのに時間がかかることがあります。自宅近くの給水ステーションがどこなのか、事前に確認しておきましょう。

在宅避難に必要なものまとめ

食事

 避難生活中は食事を彩り豊かにすると精神衛生上も安心して過ごすことができますので、バラエティ豊かに揃えておくのをおすすめします。

 アルファ米(おかゆやピラフ、チキンライスといったさまざまな種類を揃えるとよい)や乾パンといった定番の物に加えて、缶詰や甘いお菓子、羊かん、野菜ジュースなどがおすすめ。避難生活が長くなると乾パンやアルファ米ばかりでは飽きてきてしまいます。そのようなときに甘いお菓子や食具がなくても食べられる羊かんなどは役立ちます。

 さらに栄養バランスを崩しがちな時に簡単に栄養を補える野菜ジュースも欠かせません。ぜひ揃えておきましょう。また、缶詰は定番商品から牛丼の具やスイーツも販売されており、とてもバラエティ豊かなので食事が楽しくなります。

 防災食には加熱が必要なもの、水だけでも食べられるもの、缶詰のような水なしでも食べられるものと分けられますので、用意するときに注意してください。

 備える量としては、大規模災害に備えるなら7日分の備蓄が必要になります。いきなり7日分を備蓄するのはハードルが高いので、まずは3日分を用意しましょう。ローリングストック法を用いて徐々に増やしていき7日分が用意できるといいですね。

・アルファ米
・乾パン
・缶詰
・甘いお菓子
・羊かん
・野菜ジュース
・インスタントラーメン、レトルトカレーなどの即席料理

ローリングストック法とは

東京防災日常備蓄
ローリングストック法(日常備蓄)
出典:東京防災 p85 (PDFファイルがダウンロードされます)

持ちすぎず、無駄がない食料品の備蓄「ローリングストック法」

 災害に備えて食料品を備蓄するとなると、真っ先に思い浮かぶのが、賞味期限が3~5年と長く、水や熱を使わなくても食べられる非常食です。でも、そうした非常食は種類が限られているうえ、食べなれていないために口にあわないことがあります。

 そこで、おススメしたいのが、「ローリングストック法」です。これは、家族がいつも食べている食材・食品や、好きなものを多めに買っておき、普段の食事で消費したら、使った分を補充し、つねに一定量を家庭に備蓄するというものです。

 ローリングストック法には、以下の3つのステップがあります。

【STEP1】食べなれた食品を備蓄する
家庭で日ごろ食べなれている食品を中心に、災害時に必要とされる目安の「家族の人数×7日分」の食料品を備蓄する。

【STEP2】日常的に料理に使用する
備蓄した食品が賞味期限切れにならないように、日常的に消費し、新しいものに入れ替える。

【STEP3】消費した分を補充する

食べて消費した分は忘れずに買い足して補充し、必要量を下まわらないようにする。

引用元:パナソニック公式ホームページ

生理用品

 在宅避難生活中で水が使えない場合、困るのは食事とお風呂、トイレです。水なしでも身体を清潔に保てるドライシャンプーや歯磨き用ウェットティッシュ、体拭きシートは欠かせません。この他に、携帯トイレ(凝固剤や消臭剤、黒いポリ袋がセットになっている)、女性に必要な生理用品や服用薬も必要になります。

・ドライシャンプー
・歯磨き用ウェットティッシュ
・身体拭きシート
・携帯トイレ
・必要になる生理用品
・常備薬
・服用している薬

就寝

 電気やガスが使えない状況で、暑いときや寒いときに避難生活を余儀なくされることも考えておく必要があります。涼がとれるものと暖がとれるものとそれぞれ用意するとよいでしょう。

・うちわ、電池式の携帯扇風機
・湯たんぽ(充電式もあります)

家電

 電気が使えないときに携帯電話やスマートフォンが使えなくなってしまうとさらに不安が増します。手回し充電で携帯電話やスマホを充電できるものもありますが、充電するのに長時間かかる重労働。そこで乾電池式のモバイルバッテリー(携帯充電器)を用意しておくと安心です。乾電池を入れ替えれば繰り返し使うことができるので、災害時では、一度使い切ると再充電に時間のかかる充電式のモバイルバッテリーより優れています。

 高価で場所もとりますが、ポータブル電源を備えておくとより安心です。容量によって使える家電も回数も大きく変わりますが、大きめの容量があれば電子レンジなども動作可能になります。

・乾電池式のモバイルバッテリー
・充電ケーブル
・手回し充電式ラジオ・携帯テレビ
・ポータブル電源

在宅避難に似たテント泊・車中泊は?

 メリットは在宅避難とほぼ同じですが、それに加えて、自宅が住めない状況でもプライバシーを確保した避難生活が可能であるというメリットがあります。一方でテントを張る場所や車を停める場所に注意が必要で、その場が安全かどうかの見極めが必要であったり、自宅や避難所に比べて設備として不十分であるため、長期間の避難生活をこなすには大量・高額な物品が必要となります。

テント泊・車中泊に必要なものまとめ

テント泊・車中泊に共通して必要になる物
●インスタント食品などの防災食、甘い菓子など
●水と保存できる容器(2Lペットボトルやウォータータンクなど)
●LEDランタンやヘッドライトなどの明かり
●携帯用トイレや簡易トイレ(消臭剤や凝固剤、黒ポリ袋などのセット)
●スマホやラジオなどの情報端末(手回し充電式ラジオが便利)
●携帯救急箱(ファースト・エイド・キット)
●レインウェア
●マルチツール
●ホイッスル(自分の居場所を知らせます)
●ガスコンロ、食器や食具など(あれば温かい料理が作れる)
●アウトドア用の椅子や机があるとなお便利

テント泊に必要なもの
●テント ※日除け用サンシェードは泊まることを想定していません
●寝袋(シュラフ)やマットなどの寝具または簡易ベッド(コット)
●ポータブル電源やスマホ充電池(モバイルバッテリー)

車中泊に必要なもの
●外が寒い場合は、断熱素材をガラス窓や床に設置
●外が暑い場合は、ウインドーネットで虫の侵入を防ぐ
●シャットカーテンで外からの視界を遮断してプライバシー確保
●寝袋(シュラフ)やマット、車中泊用のエアマットなどの寝具
●ポータブル電源、スマホ充電器(モバイルバッテリー)、車載用インバーター

まとめ

 在宅避難にせよ、テント泊・車中泊にせよ用意するものが多くあります。災害は予見できませんが、避難生活の準備はできます。避難生活を少しでも快適に過ごすために少しの用意をできるところから始めてみませんか。 

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