携帯電話大手キャリア4社の新料金プラン(楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VI(アンリミット・シックス), ドコモのahamo, auのpovo, ソフトバンクのLINEMO)がでそろいましたが、Rakuten UN-LIMIT VIはahamoやpovo, LINEMOに比べてどうなのでしょうか。様々な疑問に答えていきます。
※価格は全て税込み価格です。
ahamoやpovo, LINEMOについて詳しく比較した記事はこちらからどうぞ。
Rakuten UN-LIMIT VIをahamo, povo, LINEMOと比較します
キャリア | 楽天モバイル | ドコモ | au | ソフトバンク | |
サービス名 | Rakuten UN-LIMIT VI | ahamo | povo | LINEMO スマホプラン | LINEMO ミニプラン |
回線 | 4G/5G | 4G/5G | 4G/5G | 3G/4G/5G ※3Gは2024年 1月下旬まで | |
月額料金 | ~0GB 0円 (2回線目以降1078円) | 2970円 | 2728円 | 2728円 | 990円 |
1~3GB 1078円 | |||||
3~20GB 2178円 | |||||
20GB~ 3278円 | |||||
データ量 | 無制限 (楽天エリア) 5GB (パートナーエリア) | 20GB | 20GB | 20GB | 3GB |
データ超過時の 回線速度 | 無制限 (楽天エリア外で5GB超過後は最大1Mbps) | 最大1Mbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps | 最大300kbps |
容量追加 | 550円/1GB (パートナー回線エリア) | 550円/1GB | 550円/1GB (データ使い放題220円/24時間) | 550円/1GB | |
通話料 | 無料(専用アプリ使用時) 22円/30秒(専用アプリ未使用時) 国内10分かけ放題 1100円 (OS標準電話アプリ使用時) | 22円/30秒 (5分超過後) | 22円/30秒 | 22円/30秒 | |
国内5分 かけ放題 | 無料 | 550円 | 550円 (1年間550円割引キャンペーンで無料) | ||
国内かけ放題 | 1100円 | 1650円 | 1650円 (1年間550円割引キャンペーンで1100円) | ||
留守番電話 | ○ | × | × | × | |
キャリアメール | ○ ※21年内対応予定 | × | × | × | |
eSIM | ○ | ○ | △ | ○ | |
テザリング | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | |
契約者 | オンラインは18歳以上(18歳未満は店頭での申し込み必要) | 20歳以上の個人 | 20歳以上の個人 | 18歳以上の個人 | |
海外利用 | 海外指定66の国と地域 | 海外指定82の国と地域 | 対応予定 | Y!mobileと同じ料金体系で対応※契約より4カ月目の末日までは利用不可 | |
申し込み 相談窓口 | 店頭・オンライン | 店頭・オンライン (店頭サポートは有償) | オンライン | オンライン ・LINE | |
特長 | 利用量に応じた段階的料金設定 | ドコモの継続利用期間引継ぎと家族割の回線数カウント、dカード払いによる特典 | 追加料金(トッピング)を払うことでカスタマイズ可能 | LINEは一部容量ノーカウント |
最大の違いは2点あります。1点は、他3社が一律の料金設定をしているのに対し、楽天モバイルだけが利用データ量に応じた段階的料金設定をしていることです。2点目は、楽天が提供する音声通話アプリ「Rakuten Linkアプリ」を使用することで国内の通話料が無料になることです。
月々20GBもいらないよ!という多くのユーザーにとっては楽天モバイルの料金設定は大変魅力的です。
ソフトバンクからも低容量プランが開始されました。3GB月額900円の新プラン「ミニプラン」について詳しく知りたい方はこちらから。
Rakuten UN-LIMIT VIのいいところ
【キャンペーン終了】プラン料金3か月無料は2022年2月8日(火)23:59で終了

プラン料金3か月間無料のキャンペーンを実施していましたが、このキャンペーンが2022年2月8日23:59までの申し込みで終了します。
契約者1名につき1回線1度のみで製品代やオプション料、通話料等は別になります。なお、2021年4月7日まで実施していた「プラン料金1年無料」適用者は対象外となります。
段階的料金設定で月々お安く! 月1GB以下なら実質無料!!
スマホユーザーの大半は月々に20GBもの容量を利用しないというデータがある通り、多くのユーザーにとっては、他3社の20GB一律の料金設定は割高に感じるかもしれません。自分で使用量の確認や調整などができる方にとってはRakuten UN-LIMIT VIは月々の携帯電話料金を大きく下げるチャンスになるでしょう。
1回線目なら月1GB以下の利用ならプラン料金は無料になります。2回線目以降は1GB以下でも1078円かかります。
契約料・解約料もろもろ0円
楽天モバイルは申込時の契約事務手数料、契約解除料、MNP転出手数料がすべて0円になっています。契約して満足しなければ0円で解約することも可能です。
2023年には衛星通信に対応!? 人口カバー率100%達成か!?
2023年以降の話ですが、衛星通信に対応するという計画があります。これですと、日本中どこにいても(圏外の多い海上だとしても!)圏内ということになり、人口カバー率100%を達成する夢のような計画が進行中です。実現するかは不透明なところはあると思いますが、もし実現したら山間部だろうが、海上だろうが、災害で基地局が壊れようが、怖いものなしです。
日本全国の郵便局で楽天モバイルの申込みができるようになる!?
2021年3月12日に楽天グループと日本郵政グループが業務提携したと発表になりました。同日の共同記者会見で、郵便局内のイベントスペースに楽天モバイルの申込みカウンターの設置を検討していると発表されました。全国約2万4000局ある郵便局で楽天モバイルのカウンターが設置されれば、大手3社の10倍もの店舗数を獲得することになります。これで電波が整えば一気に郊外にお住まいのユーザーが増えるかもしれません。
ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料の請求について
今まで楽天モバイルが負担していたユニバーサルサービス料(月額3.3円)が2021年8月請求分からユーザー負担になります。本来ユーザーが負担するべきものですので、今までが楽天モバイルのサービスだったわけですね。しかし!1年間無料・3か月無料キャンペーン中や月1GB以下の利用でプラン料金が発生しない月は引き続き楽天モバイルがユニバーサルサービス料を負担してくれます!
さらに!電話リレーサービス料(1回線当たり年額6.6円)についても同様の対応がなされます。
- ユニバーサルサービス料とは、電話番号1回線につき3.3円支払うもので、全国の公衆電話や緊急通報などの電話サービスを維持するためにユーザーが負担する料金のことです。
- 電話リレーサービス料とは、聴覚障がいや発話に困難をかかえる方が手話通訳などのサービス(24時間365日利用可)を利用して電話を利用できるようにするサービスを維持するためにユーザーが負担する料金のことです。
【2022年2月7日更新】ついに4G人口カバー率96%達成
2021年夏頃達成見込みとしていた4G人口カバー率96%達成は、新型コロナウイルス感染拡大の影響と世界的な半導体不足の影響で、年内達成に延期されていました。そして、2022年2月4日に自社回線での人口カバー率が96%に達したと発表しました。これは総務省に提出していた当初計画では2026年3月末の達成予定だったので、4年も前倒しできたことになります。
Rakuten UN-LIMIT VIのよくないところ・気を付けないといけないところ
キャリアメールの対応はいつ?
2021年夏頃に対応する予定だったキャリアメールの実施も、2021年内に延期されました。これについては「ユーザーへのサービス提供にあたって万全を期すため」として明言を避けているので、少し懸念材料です。
エリアが狭くて、つながりにくい
「エリアが狭い」「つながりにくい」「屋内に電波届かない」…そうなんです。2021年5月で人口カバー率88.6%(2022年2月4日に96%を達成)で、実際に東京都23区外の筆者住まいは4月上旬まで楽天エリア圏外でした…(中旬ごろ、KDDIのパートナー回線終了に伴って楽天エリアになったのですが、電波は入っているけれども通話ができない、インターネット通信ができないなどの不具合が頻発しました)。楽天エリアが使用したい地域で使えるのかどうか、契約する前に必ず確認するようにしてください。楽天回線エリアの確認はこちらから。
これにはからくりがありまして、実は総務省から楽天モバイルに割与えられている電波は1.7GHz帯のみで、これは電波の性質として屋内では本当につながりにくい電波です。自宅にWifi環境がない方にはRakuten UN-LIMIT VIを主回線契約するのはちょっと慎重に!と言わざるをえません。
無料通話アプリ「Rakuten Link」のiOS版の仕様変更で要注意!

出典:楽天モバイル公式ホームページ
Rakuten Linkアプリを利用していない相手からの電話※を着信する場合、現在はお客様のRakuten Linkアプリに着信いたしますが、仕様変更後はiOS標準の電話アプリに着信するようになります。
引用: 楽天モバイル公式ホームページ
※固定電話や、OS標準の電話アプリなどからの発信
注意が必要になるのは、不在着信をすぐに折り返し発信する場合です。仕様変更後はiOS標準の電話アプリに着信するため、すぐに折り返し電話をすると、発信もiOS標準の電話アプリになり、音声通話が有料になってしまうからです(Rakuten Linkからの発信にすれば、従来通り無料で音声通話ができます)。また、海外で電話を着信する場合も有料になります(国・地域別従量課金)。

出典:楽天モバイル公式ホームページ
Rakuten LinkアプリiOS版を利用し、相手はRakuten Linkアプリを利用しない場合のSMS送信料金も有料区分が増えているので注意が必要です( Rakuten Linkアプリ同士のメッセージ送受信は従来通り無料です)。
これらは2021年7月6日より順次仕様変更されます。併せて、これらの仕様変更に伴いSMS送受信ができなくなる可能性があるため、iOSを14.4以降へアップグレードするように楽天モバイルは公式ホームページにて呼び掛けています。
低速通信モードでもデータ使用量カウントされる
以前(Rakuten UN-LIMIT V)はアプリ「my 楽天モバイル」で「データ高速モード」をオフにして低速通信モードにしておくと、データ利用量のカウントがなしだったのですが、Rakuten UN-LIMIT VIからはこれがなくなり、たとえ低速通信モードにしていたとしても、データ使用量にカウントされてしまうので、パートナー回線エリア内で多くの通信をする方は注意が必要です。
対応しているスマホが少ない→増えました!
筆者の使用しているiPhone Xは非対応でしたが2021年4月30日からはiOS14.4にアップデートしたiPhone 6s以降のすべてのiPhoneが楽天モバイル対応になります。またiPhone12シリーズで楽天回線エリアとパートナー回線エリアの自動切り替え機能に対応します。
ほとんどのiPhoneや一部のandroidスマホは、楽天回線エリアとパートナー回線エリアの自動切り替え機能に非対応(手動で切り替えることは可能です)のため、放っておくとパートナー回線エリアで高速通信できる5GB容量を使い切ってしまったなんてこともありえます。お持ちのスマホを使いたい場合は、Rakuten UN-LIMITに対応するのか事前に調べておきましょう。こちらから調べられます。
180日間利用のない携帯回線は利用停止に
連続して180日間全く利用のない携帯回線(プラン料金1回線目)は、ユーザーに通知をした上で回線の利用が停止されます。こちらは2021年7月1日より適用されます。全く利用がないとは、データ通信0GB、通話が0回の携帯回線のことをいいます。またプラン料金1回線目とは契約中の楽天モバイル回線のうち、サービスが利用開始になる日が最も古い回線のことです。つまり月1GB以下の利用が0円端末のことです。
楽天モバイル、Rakuten UN-LIMIT VIのおすすめの使い方
現状、楽天モバイルの楽天回線エリアは基地局の増設によって改善されつつあります。しかし、楽天モバイルに割り当てられている周波数の性質による電波の悪さはどうにもしがたい問題です。東京都は2021年3月末でパートナー回線エリアの提供が終了することが公表されました。やはり、主回線として契約するのは怖いかも…。
そこで、おすすめは副回線としての契約です。主回線としては大手キャリアや他の格安SIM(MVNO)などを契約して副回線で楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VIを契約します。楽天回線エリア内では、主回線で音声通話を、副回線のRakuten UN-LIMIT VIでデータ通信をして、音声通話の弱さをカバーするという方法があります。逆に主回線でデータ通信を、副回線のRakuten UN-LIMIT VIで専用アプリによる音声通話をすれば、楽天モバイルに支払う料金を0円にするという手もあります。
まとめ
今回は、楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VIをまとめてみました。自分の生活圏が楽天回線エリア内で、副回線契約が可能な方にはいいかもしれません。また、たくさん電話をする方にもおすすめです。
一方で、まだまだその恩恵にあずかれない人がいるのも事実です。楽天回線エリアの拡充は2022年2月にひとつの達成をみましたので、プラチナバンドの獲得がなされれば鬼に金棒です。総務省さん、お願いします!!
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