6月から10月下旬まで警戒が必要な大雨対策。避難行動で気を付けるべき2つのこと【夏前の備え 第3弾 実際の避難行動編】

夏前の備え実際の避難編

 夏前に気を付けたいことの一つに大雨災害への備えがあります。記憶に新しいものとして、2019年10月の台風19号では死者・行方不明者が106名にのぼりました。また、2020年の「令和2年7月豪雨」では、前線の発達による大雨の影響で熊本県を中心に82名の方が亡くなりました。台風だけでなく梅雨や秋雨前線の時期の前線停滞による大雨も忘れてはいけません

 ここでは、「実際の避難行動」についての注意情報をまとめたいと思います。

 取るべき行動としては、大きく分けて2種類あります。自治体が指定した避難場所や近隣の安全な場所(丈夫な建物や知人・親戚宅)へ「避難」することと、避難場所等への移動がかえって命に危険を及ぼしかねない状況だと判断した場合に自宅にとどまる「屋内安全確保」をすることです。

 屋内安全確保を行う場合は、自宅の2階以上かできるだけ高いところへ行き、崖や川などからできるだけ離れた場所に移動します。

 夏前の備え 第2弾は【大雨対策】です。防災グッズ(非常用持ち出し袋)についても詳しく。

 防災・減災に役立つことや新しい言葉を調べました。こちらからどうぞ。

目次

大雨のときに避難することになったら気を付けるべき2つのこと

 実際に避難することになったら、気を付けてほしいことは2つあります。それは、「①履き慣れた運動靴で避難する」「②危険な場所を避ける」です。

 注意!!大雨災害の時の屋外避難と車での避難は危険です。必ず内閣府防災情報のページ「避難行動判定フロー」でとるべき行動を確認しましょう。

暴風雨

①履き慣れた運動靴で避難する

 浸水時の歩行可能な水位の目安はひざ下までです。それ以上の深さになると水の勢いで動けなくなったり、水深80cmを超えると水の勢いによって流されたり溺れたりする危険が高まります。

 そんなときに、ヒールやパンプス、サンダルなどを履いていたら、水の勢いで履物が脱げてしまうかもしれません。それでは移動することそのものが困難になってしまいます。必ずかかとのある履き慣れた運動靴(スニーカーなど)を用意しましょう。

スニーカー

②危険な場所を避ける

アンダーパス

アンダーパスとは、道路や線路などの下部にある通路のこと。交通の円滑化などを目指して設置されたものですが、豪雨の際の通行は非常に危険です。アンダーパスは地面を掘り下げて設置されているため、ほかの道路よりも低い位置にあり、雨水が流れ込みやすいのです。 

引用:ライフレンジャー

 浸水深が30cm以上になると車のエンジンが停止してしまい、立ち往生してしまいます。水深が60cm以上になるとセダンタイプの乗用車では、車内外の水位差によって前席ドアは開くことができなくなります
(詳細はJAFホームページ「水深何cmまでドアは開くのか?」をご覧ください)

エンジンが停止した乗用車

 2016年、愛知県で冠水したアンダーパスを車で走行してしまい、車が水没し、運転していた方が死亡する事故が発生しています。

 事故を未然に防ぐために、国土交通省が公開している「道路防災情報WEBマップ(道路に関するハザードマップ)」などを活用し、冠水路には絶対に入らないようにしましょう。

冠水している道

 歩き慣れた道でもマンホールの蓋が外れていたり、側溝に気づかなかったりして、穴などに落ちてしまう危険があります。

 万が一、冠水している道を通る場合は、杖のような長い棒を持って、足元を確認しながら歩くことと、必ず2人以上で行動するようにしましょう。

冠水したいる道を確認して歩く

地下街や地下鉄

 水深30cm以上になると、地下街出入り口のガラス扉を開けるのが困難になり、水深40cm以上になると、ガラス扉が水圧で砕けたり、看板などが流されてくる危険もあります。水深80cmを超えると、歩行が困難になり、人が流されたり溺れたりするリスクが高まります

商店街

 都市部に広がる地下街は、近年の再開発で利便性向上のために、複数の地下街が連結するような構造になっているため、浸水被害が急速に・広範囲に及ぶ可能性があります。かつて川や海だった埋め立て地や河川に近い海抜0メートル地帯が広がる地域が特に危険です。

 止水対策は近年充実してきているとはいえ、実際に作動するかはその時にならないと分かりません。大雨の時はできるだけ早く地上に避難するようにしましょう。

河川や用水路

 大雨の度に河川や用水路、田畑の様子を見に出かけてしまった方が大勢亡くなっています急に水かさが増して流されてしまうことがあるからです。

 大きな河川では河川の様子をインターネットでライブカメラ配信をしていたり、水位をリアルタイムで公開していたりするので、それらを確認するようにし、大雨の時は河川や用水路の様子を見に行くことは絶対にやめましょう

河川モニタ

崖や谷などの急な斜面

 土砂崩れはいつどこで起こるか分かりません。山の斜面は、山や木々が蓄えられる水の量を超えたときに突然崩れます。人間の足では逃げることは不可能です。

 沢の水の異常な流れや濁り、いつもと違う異音(地響きなど)を耳にしたときはすぐにその場から離れましょう

土砂崩れ

まとめ

 大雨災害は、地震災害と異なり事前にある程度対処することが可能です。大雨で冠水した道を避難するのは危険です。早めはやめに判断をし(テレビやラジオ、公式Twitterなどで最新の情報を入手してください)、安全な場所(場合によっては自宅も含め)で避難するようにしましょう。

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