2022年6月から100GB(4950円/月)の「ahamo+大盛りオプション」がスタートします。今回は20GB超プランを有する「格安プラン」ahamo, povo, 楽天モバイル (Rakuten UN-LIMIT VI)を比較&簡単解説します。
※価格は全て税込みです。
「ahamo+大盛りオプション」の基本情報
ahamoは新しいオプションを発表しました。「大盛りオプション」です。こちらは新料金プランではなく、追加料金を支払うオプションになります。
従来の20GBのプランにオプションを支払い、+80GB(1,980円/月)することで100GB(4,950円/月)となります。
5分以内の国内通話無料(5分超過後22円/30秒)、テザリング(100GB/月)は付いてきますが、海外利用は大盛りオプションを追加しても、変わらず20GBのまま(滞在が15日間を超える場合は送受信最大128kbpsの通信速度制限がかかるのも変わらず)であることは注意が必要です。
また、povoのようにその都度ごとにオプションを契約するのではなく、一旦契約すると翌月以降も自動継続して大盛りオプションは契約されます。大盛りオプションを外したいときは解約の手続きが必要になります。
ahamo, povo, 楽天モバイルの基本情報比較
キャリア | ドコモ | au | 楽天モバイル |
サービス名 | ahamo | povo 2.0 | Rakuten UN-LIMIT VI |
回線 | 4G/5G | 4G/5G | 4G/5G |
月額料金 | 20GB 2970円 | 0GB 0円 | ~1GB 0円 (1回線目のみ) 1~3GB 1078円 3~20GB 2178円 20GB~ 3278円 |
データ量 | 20GB, 100GB | 1GB, 3GB,
20GB, 60GB, 150GB (データの使用期限はそれぞれ異なる) | 無制限 (楽天エリア) 5GB (パートナーエリア) |
データ使用量くりこし | × | × | × |
データ超過時の最大回線速度 | 1Mbps | 128Kbps | 無制限 (楽天エリア外で5GB超過後は1Mbps) |
容量追加 | 550円/1GB 1980円/80GB | 390円/1GB (7日間) 990円/3GB (30日間) 2700円/20GB (30日間) 6490円/60GB (90日間) 12980円/150GB (180日間) データ使い放題330円 (24時間) | 必要なし (楽天エリア) 550円/1GB (パートナーエリア) |
通話料 | 22円/30秒 | 22円/30秒 | 無料(専用アプリ使用時) 22円/30秒(専用アプリ未使用時) |
無料通話 | ー | ― | ― |
国内かけ放題 | 国内5分かけ放題 無料 国内かけ放題 1100円 | 国内5分かけ放題 550円 国内かけ放題 1650円 | 国内10分かけ放題 1100円 (iOS標準通話アプリ使用) |
留守番電話 | × | × | ○ |
キャリアメール | × | × | ○ ※対応予定 |
eSIM | ○ | ○ | ○ |
テザリング | 無料 | 無料 | 無料 |
契約者 | 20歳以上の個人 | 13歳以上の個人 | オンラインは18歳以上(18歳未満は店頭での申し込み必要) |
学割 | × | × | × |
海外利用 | 海外指定82の国と地域 | 対応予定 | 海外指定66の国と地域 |
申し込み 相談窓口 | 店頭・オンライン (店頭サポートは有償) | オンライン | 店頭・オンライン |
特長 | dカード払い特典による容量追加 | データトッピングでプランを自由自在にカスタマイズ | 利用量に応じた段階的料金設定。Apple Watch対応 |
デメリット | 小容量プランがない | 通信制限速度が遅い、auサービスが使えないことが多い | 電波が届きにくい。楽天回線エリアが狭い |
サービス名 | ahamo | povo 2.0 | Rakuten UN-LIMIT VI |
ahamo, povo, 楽天モバイルのメリット・デメリットを簡単解説
ahamoのメリット・デメリット
ahamoのメリット
- 海外利用したいならahamo
- 家族割回線数にカウント
- dカード払いによる特典
- 海外利用したいならahamo
povoは海外利用は対応予定となったまま詳細は不明のままです。楽天モバイルは海外指定66の国と地域で対応し、ahamoは海外指定82の国と地域に対応しています。ahamoが対応する国と地域はこちらから。
- 家族割回線数にカウント
ahamoには家族割などの割引はありませんが、docomoユーザー側の割引に影響する家族割回線数にはカウントしてくれます。家族間通話無料については、ahamo契約回線からの発信は対象外ですが、ギガプランなどを契約中の同一「ファミリー割引」グループ回線からのahamo契約回線への発信については無料となります。
- dカード払いによる特典
「dカードボーナスパケット特典」は、ahamoの携帯電話番号をdカードまたはdカードGOLDと連携して、そのカードで支払う場合、月の使用容量がdカードの場合は+1GB、dカードGOLDの場合は+5GBされます。
「dカード GOLDご利用額10%還元特典」はahamoの携帯電話をdカードGOLDと連携することで、カード利用金額100円に付き10pt付与されるというものです(最大300ptまで付与されます)。
ahamoのデメリット
- 小容量プランがない
- 少しの通話をする人向け
- 店舗でのサービスは有償
- 小容量プランがない
ahamoには20GBと100GBの二択しかないのが最大のデメリット。スマホユーザーの30%超は月に1GB以下、60%が月に3GB以下しかデータ容量を使っていない統計がある以上、過半数のユーザーにとってはahamoは容量過多なサービスです。
毎月ほぼ一定のデータ通信しか使用しないユーザーであるなら、他のキャリア・プランを契約したほうがいいでしょう。
- 少しの通話をする人向け
povoと異なり5分間の国内無料通話がもともと付いていて外すことができません。通話を全くしないのであればahamoは割高に感じるでしょう。また5分超の電話を多くするユーザーであるなら、楽天モバイルの専用通話アプリで無料通話を利用した方がいいでしょう。
- 店舗でのサービスは有償
ahamoやpovoなどの格安プランは店舗サービスをなくす代わりに、安価なプラン料金を実現しました。ahamoに限ってはdocomoショップで対人による契約手続きやアフターフォローをしてくれますが、サービスは有償(3,300円)になります。
povoのメリット・デメリット
povoのメリット
- 基本料が0円
- オプション(データトッピング)が大幅に充実
- 基本料が0円
povoは基本料が0円です。ただし、180日間以上利用がない(有料トッピングの購入がない・通話料やSMSの利用料が660円(税込)未満の)場合は、利用停止や契約解除となることがあります。また別途手数料などが発生する場合があるそうです。
- オプション(データトッピング)が大幅に充実
povo(povo2.0)ではオプション(データトッピング)が大幅に充実しました。
1GB(390円/7日間), 3GB(990円/30日間), 20GB(2700円/30日間), 60GB(6490円/90日間), 150GB(12980円/180日間), データ使い放題24時間(330円/24時間)。
10GBや15GBあたりの中容量オプションがないのが少し残念な気がします。
この他にもDAZN使い放題パック(760円/7日間)やsmash.使い放題パック(220円/24時間)もあります。
【プチ情報】データ使い放題24時間だけの現象かはわかりませんが、申込当日適用にすると翌日の23:59までの実質2日間オプションを使えるそうです。
povoのデメリット
- 店舗での対人サービスがない
- 通信制限速度が最大128Kbps
- データトッピングの期限に注意
- 「各種サービス・その他」で利用できないものが多い
- 店舗での対人サービスがない
ahamoやpovoなどの格安プランは原則として店舗がなく、対人によるサービスやアフターフォローが受けられない代わりに、プラン料金が安価に抑えられています。ahamoは有償でもよければdocomoショップで対応してくれますが、povoにはそのようなサービスはありません。
- 通信制限速度が最大128Kbps
通信制限速度(=データ容量が0GBの場合の通信速度)が最大で128kbpsとなっています。128kbpsはLINEやテキストメッセージはやりとりできますが、SNSやYouTubeなどの画像付きサイトや動画は厳しい速度です。
- データトッピングの期限に注意
データトッピングの期限が月単位ではないことに注意が必要です。有効期限が1ヶ月ではなく30日間, 90日間, 180日間になっているので、ご自身のデータトッピングの期限に合わせて新しくオプションを購入する必要があります。通知機能を設定すれば、データ容量の残りが1GB, 500MB, 0MBになったとき、有効期限の前日昼の12時ごろにもメールやSMSで通知が来るようになっています。
- 「各種サービス・その他」で利用できないものが多い
auでは利用できていたけれどもpovoでは利用できない「各種サービス・その他」が多くあります。詳細は公式ホームページをご覧ください。
楽天モバイルのメリット・デメリット
楽天モバイルのメリット
- 店舗での対人サービスが受けられる
- 段階的料金設定で月々お安く。月1GB以下なら実質無料
- 日本全国の郵便局で楽天モバイルの申し込みができるようになる
- 電話番号シェアサービスでAppleWatchセルラーモデルが利用できる
- 店舗での対人サービスが受けられる
ahamo, povoは原則オンラインのサービスになるので、店舗がありません(ahamoは有償にてdocomoショップで対応可)。店舗で対人によるサービスやアフターフォローを受けたい方は楽天モバイルがおすすめです。
- 段階的料金設定で月々お安く。月1GB以下なら実質無料
月間1GB以下の通信量しか使っていない30%超のスマホユーザーにとっては楽天モバイルは大きな選択肢の一つになります。1回線目で月1GB以下の利用ならプラン料金は無料になります(2回線目以降は1GB以下でも1078円かかります)。
- 日本全国の郵便局で楽天モバイルの申し込みができるようになる
2021年3月に楽天グループと日本郵政グループが業務提携し、郵便局内のイベントスペースに楽天モバイルの申込みカウンターの設置を検討していると発表されました。それからおよそ1年後、筆者の地元の郵便局でも楽天モバイルのカウンターが設置されていました。今後は楽天モバイルの店舗のない地域でも契約できるようになりますね。
- 電話番号シェアサービスでAppleWatchセルラーモデルが利用できる
2022年3月に楽天モバイルが電話番号シェアサービスを開始。ahamoとpovoではこのサービスはないので(docomo, auの従来プランにはあり)AppleWatchのセルラーモデルを単独で利用したい方は楽天モバイルになります。(期間限定3ヶ月無料、550円/月)
楽天モバイルのデメリット
- 電波がつながりにくい
- 無料通話アプリ「Rakuten Link」のiOS版の仕様変更に要注意
- 電波がつながりにくい
「つながりにくい」「屋内に電波が届かない」…総務省から楽天モバイルに割与えられている電波は1.7GHz帯のみで、これは電波の性質として屋内ではつながりにくい電波になっています。
- 不在着信の折り返し発信に注意(iPhoneを利用している場合)
不在着信はiOS標準の電話アプリに着信するため、すぐに折り返し発信すると、発信がiOS標準の電話アプリになり、音声通話が有料になってしまいます。アプリ「Rakuten Link」からの発信にすれば、従来通り無料で音声通話ができますが、電話番号をコピー&ペーストしなければならないなど手間がかかります。
ahamo, povo, 楽天モバイル どれがいいの?
電波の安定重視の方はahamoかpovo
総務省から楽天モバイルに割与えられている電波1.7GHz帯の性質は、屋内ではつながりにくいため、どうしても建物内や地下での電波が不安定になりがち。安定的な回線を求めている方はdocomoやauと同等品質のahamoやpovoを利用した方がいいです。
海外利用される方はahamoか楽天モバイル
現状、povoでは海外利用ができないので、海外利用されたい方はahamoか楽天モバイルになります。利用したい国や地域でそれぞれのキャリアが利用できるか確認をお勧めします。
ahamoが対応する国と地域はこちらから。
楽天モバイルが対応する国と地域はこちらから。
実店舗・対人サービスを希望される方は楽天モバイルかahamo(有料)
従来のキャリアと同様に実店舗・対人サービスを受けたい方は、楽天モバイルです。ahamoは有償(3,300円)になりますがdocomoショップでサービスを受けることができます。一方でpovoは店舗でのサービスはありません。
まとめ
どのキャリアのプランも完璧なものはなく、一長一短があります。より自分に合ったプランを選べるといいですね。
コメント